Itsukushima Perry

Old Japanese magazines about guitars日本のギターに関する古い情報雑誌



[ 日本のギターに関する古いジャーナル:JAPAN ] https://digitalguitararchive.com/journals/

マンドリン・クラシックギター雑誌 1927年~1958年「アルモニア」、「ギターの友」などのPDF雑誌です。
アメリカ テキサス州のロバート・コールドウェル氏 [Robert Coldwell]が自助努力で収集し、WEBサイトで公表しています。
パブリックドメインで、彼の了解のもと、紹介させていただきます。

この雑誌コレクション構想は、彼が1992年にギター研究を始めた時からのことです。
1996年に東京藝術大学の大学院生だった時、同志社大学の中野コレクションにある、ギター雑誌記事を図書館間賃借で入手困難だったため! この構想はより大きくなったそうです。
彼は、今でも情熱を失わず、情報収集・研究に余念がありません。

[*挿画出典]
Published by Robert Coldwell :Digital Guitar Archive/Journals/Japan


※当WEB SITE作成にあったては、「Digital Guitar Archive/Journals/Japan」の様々な雑誌から 転記/引用して作成していますので、興味を持たれた方は上記、Robert Coldwell 氏のWeb Siteを覗いてみて下さい。


出版年:1916年 - 1923年

[主幹]武井守成

出版年:1924年 - 1941年

[主幹]武井守成

出版年:1927年 - 1941年

[主幹]澤口忠左衛門

出版年:1927年 - 1929年

[編集/発行者]宮田政夫・田中常彦

出版年:1931年-1932年

[主幹]貴家健而

出版年:1936年-1938年

[主幹]中野二郎

出版年:1942年-1943年

[主幹]武井守成

出版年:1947年11月-1959年

[主幹]:小原安正

出版年:1952年-1963年

[主幹]玖島隆明

出版年:1954年-1959年

[主幹]:高橋功

出版年:1958年-1992年

[主幹]:伊藤尚生

出版年:1966年-1970年

[主幹]:永田哲夫

出版年:1983年-1987年

[編集/発行者]:浜田謙/菅原潤

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出版年:1957年 ギタルラ社

[主幹]:小原安正

上記掲載「ギタルラ」誌をまとめた書籍:表紙

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出版年:1957年 ギタルラ社

[主幹]:小原安正

上記掲載「ギタルラ」誌をまとめた書籍:背表紙

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出版年:1957年 ギタルラ社

[主幹]:小原安正

上記掲載「ギタルラ」誌をまとめた書籍:裏表紙



Books about old Japanese guitars and old guitarists日本のギター及びギタリストに関する書籍



[ 日本のギター及びギタリストに関する書籍 ]

マンドリン・ギター及オーケストラ

出版年:大正13年 [1924年]

[主幹]:武井守成

マンドリン・ギター肩影

出版年:大正14年 [1925年]

[主幹]:武井守成

1949_ギターとその智識

出版年:昭和24年 [1949年]

[主幹]:小原安正

19881031ギタリストの余韻

出版年:音楽之友社 1988年刊

[著者]:小原安正

1989年発刊 ギターの歩み <戦後編>

出版年:現代ギター社 1989年刊

    

ページ数 358P

[著者]:安達右一

1992年発刊 写真で見る日本ギター史

出版年:現代ギター 1992年刊

[監修]:安達右一

ギターと出会った日本人たち

出版年:YAMAHA 単行本 – 2010/12/22

[著者]:竹内喜久雄

ギタ-から見た近代日本の西洋音楽受容史

出版年:YAMAHA 単行本 – 2022/5/27

[著者]:竹内喜久雄





『ギター古典の薫り』/ [JOURNAL OF THE JAPAN GUITAR SOCIETY ]

[プロローグ] 浜田 謙 Ken Hamada

当会設立の主旨の中に「日本ギター史の編纂」というのがあるが、それに関しての企画を考慮しているうちに、現代ギター誌で安達右ー氏の『にっぼんのぎたあ・・・・戦後のあゆみ』の連載が始まってしまった。

以前、現代ギター誌で小西誠一氏によって『にっぼんぎた一史』が連載されていたが(S.42 ・6 月号 から開始)、内容がちょうど戦後の頃まで進んできた時に惜しくも小西氏は他界された。
当然ながら連載も終ってしまった。
今回の安達氏の連載はこれを引き継いだかたちで、タイトルのように終戦からその内容はスタートしている。

会で提案していた「日本ギター史の編纂」はまさしく小西氏の 『にっぼんぎた一史』を完結させようということであった。
安達氏の連載が何回予定されているのか知らないが、結果的には二人の共作で『日本のギター史』が編纂されたことになる。
私ごときがいくらガンバッテもこれ以上のものが書けるわけではないのでまずはめでたしめでたし・・・。

私は小西氏が連載された、我国へのギターの到来から終戦までの内容については、今にいたってもこれ以上詳しく書かれたものはないと思っているが、古いものから風化が始まるのであるから、この時代を別の視点から、早急にもう一度振返っておく必要があると思っている。
しかし、私は昭和27 年生れで、ギターと拘り始めたのは39 年頃なので、戦前のギター界については直接知るよしもない。
そこで、私のところにある、戦前に出版された「マンドリン・ギター研究」や「アルモニア」(京本輔矩氏や故花岡美濃里氏から譲り受けたもの)などがあるので、それらをもとに戦前のギター界をやや想像を交えながら検証していくことにしようと思っている。
それを叩き台にして先輩諸氏からお話を伺えれば(願わくば原稿を書いていただければ・・・・)と思っている。

今回は、以前より個人的に興味をもっていた、『小西氏が書かれる以前に、我国のギター史について最っとも詳しく書かれた文献は何であったのか?』今回はこれについて調べてみた。

おそらく小西氏が色々と調べていかれる時(まさに足を使い、多方面からの資料をもとに検証されている)に、参考にされたギター史の文献があるに違いないと思うからである。
まず戦前の発行物でさがしてみると、武井守成氏の「マンドリン・ギター及其オーケストラ(大正13年発行)」のなかにある『本邦斯界過去現在』や、前述した沢口氏の「ギタア音楽(昭和9年発行)」のなかの『補遺・本邦に於けるギター音楽』などにややまとまったものがある。
当然ながら初期のことについて書くには参考になったと思われるが、全体をつかむには内容不足である。

戦後では小西氏御自身が「アルモニア」(昭和33年第5巻第5 号/A5 サイズ3 ページ)に『日本のギター音楽界(始めから今日まで)』を書かれている。
これは「現代ギター」の連載を始める時の下書きとなったものであり、またそのきっかけになったものでもある。
そのほかで、まとまったものはすぐに探しあてることはできなかった。

ところが、偶然にも私が10年位前にある古書フェアーで購入した本に、その答えのヒントになる文麒を見いだすことが出来た。

まずその本とは、佳生(よしお)書房発行の『ギターの習い方』小林欽一著である。
タイトルや装訂からしてよくある「一週間ギター独習」のような類である。
本文の内容はやはり興味を引くようなものではいが、やたら楽譜が出てくるまでにページがある。
なんと教本的な内容が始まるまでに、28 ページにわたってギターの歴史について書いてある。

前半は「ギター音楽について」と題してギターの誕生からセゴビアの出現までが書かれていたが、この原稿の種本はブジョール氏が1930年頃に書かれたの一連の著書、またはそれを参考にされた沢口忠左衛門氏編集の「ギタア音楽」(昭和9年発行)などではないかと推測がつい た。
後半1 5 ページにもおよぶ「日本のギター音楽」という内容はなかなかよくまとまっていて、本書の内容に比べると不釣合さを思わせるほどの内容である。
この原稿を書いている現時点ではまだ確認が取れていないが、どうもこれらの歴史についての文章は、戦後小原安正氏が発行された『ギターとその知識(昭和2(年発行)』からの転載か戦後の都分をほんの少し補足を加えただけのものではないかと思われるのである。

小西氏御自身、戦前から音楽界で活躍されていたので、直接経験されたことも多かった思われるが「ギターとその知識」の中のギター史の部分が参考になったのではないかと思われる。
これがハッキリと「ギターとその知識」からの引用と確認がとれていませんが、ともあれ戦前までのギター史をバノラマ式に把握するには、ちょうどいい分量ですし、安達右ー氏の『にっぼんのぎたあ・・・・戦後のあゆみ』を読まれる方にも参考になると思われますので、今回はブロローグとしてご紹介することにしました。

次回からは、資料の関係から大正末期ごろのギター界から検証を始めていこうと思っています。
また、関係諸氏から許可がおりれば戦前のアルモニア文庫の邦人ギター作品のファクシミリ添付楽譜も考えています。

[*転載]:『ギター古典の薫り 第6号』digitalguitararchive/1986-06-JGS[JOURNAL OF THE JAPAN GUITAR SOCIETY VOL.6] P.16,17





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