Armonia's 8th Concert [November 14, 1930 (Showa 5)]
Mandolinen-Orchester ARMONIA
1930年(昭和5年)11月14日 『アルモニア第8回演奏会』
[*最前列:7名] 左より 高橋 功、大槻(頼)、重戸、今井、横堀、平、高橋(長)
[*2列目:11名] 左より 伊藤、畠、石川、秋山、荘司、庄司、星、永田 譲、石森隆知、渡邊、大條
[*3列目:6名] 左より 星野、斎藤、米地、福原、三浦、澤口忠左衛門、
Armonia 第8回演奏会記 |
『時晩秋の11月14日、今度は土曜日でないので頗る楽でない来る人も楽でなければやる吾々も大変だ。 どうして金曜日にしたかを開くと、大学関係の小劇場の公演が土曜日にある総割愛したとの事。 それにつけても準備に時間がなくてやり切れない。 今度の会場のステーヂが狭い為に、大工を数人入れてステヂ取拡げをした訳だ。 会場に行って見ると成程危ぶげな増補ステーヂが出来ている。 気のせいかぐらぐらする様に思う。 運搬係も忙がしかつたらしい。 早速ステーヂ整理、そして大急ぎでステーヂ練習する頃は小早い来聴者が来てしまつて聴いているのには呆れた。余り早いのも時間不励行の方と思う。 今度は数種の管が入ったので仲々大変である。 澤口氏の前奏曲、歌謡と舞曲、ウォルムスパッヘルの森村写景の一部を練習して引込む。 もう定刻近いのであるがタクトや其他の数人が腹の充実が出来ていないらしい。 果たして大学の食堂へ飛込んで喰らい争い。 ステーヂ裏はもう時間なのでテウニンゲや出場の準備をしている。 やがて正7時ベルの合圖。ヴェルキの交響曲から曲を進めて休憩。 この時間に具合を聞きにゆくもの見に行く者、会に行く者、訪れて来るもの多数。 出来はヴェルキがよいとの話し。これは自信があったのだからな、なんて云うのがある。 ウォルムスパッヘルも前半は頗るよかったとか。 とに角ミスは自分同様数えたら切りがあるまいて。 誰れが何処にいた彼女が彼所にいたなどと出る。 そんな事の中に父ベル。 第二部邦人作品は大分雑関、各自自重。 『朝鮮の印象』の好評の中に終了した。 ピッコロとタムタムと小木魚の背に釣られた様うに聴衆が伸上つて漸時帰らない。 ステーヂ裏へ引込んだメンパーは今度こそ遠慮なく駄幷る事、例に依つて『花園』で茶話合となる。 茶と話だ。 それから菓子がはいたつけ。それからタクトの名演説。 散会これで第8回も終った。原稿紙三枚のスビード演奏会記如斯。』 |
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[*]:digitalguitararchive/1930-24-Armonia/P.19,20